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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 頁

青空文庫

有力どころではない、求めても得られない、珍重な拾い物をしたと思わずにはいられません。

その当座こそ、この娘は、さんざんに泣きもしたし、故郷を恋しがったりして手がつけられなかったけれども、今は慣れきってしまいました。これが与えられた生活であるという希望が、ようやく芽を出して来たのは、上陸して後にはじまったのではありません、船の中が好きになりました。海上生活が好きになったというよりは、この中の同志が物珍しくて、そうして、いずれも内容があって、親切であることが、単純な山の中の人と共に生きているよりは、なんとなしに豊かなものであることを知って、この人たちと共に暮すならば、海の涯、山の奥、どこまでもと言いたい気分になっているのでした。それから、この植民地が出来るにつけても、女としては唯一無二の働き手です。お松も働き手ではあるが、それは上局の部分に属して、主として船長附きになっているから、開墾そのものと、その生活の世話に、手を下して助力するということはできません。その不足を、お喜代ひとりが補って余りあるのです。この娘は山方でも、家柄のいいところへ生れたのですが、労働を厭わないのみならず、労働に慣れておりましたから、ほんとうにここでは三面六臂の働きをします。