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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 頁

青空文庫

出所には名分が存するものだと感じたものです。

そこで、がんりきの百は、代用品拝借の湯呑を取って、それに紙を敷き、最初の形式で置壺に構え、これも最初の形で左の掌で軽小に一振り、眼にも留まらぬ天地振分け、賽はカラリと壺に落ちたか落ちないか、その瞬間、左の手は早くも壺の縁に飛んで、壺は天地返し――カッパと盆の上へ伏せられたものです。

「さあ、旦那、お張りなせえ、丁方なりと、半方なりと、気の向いた方をお張りなせえ」

「よし、丁と張った」

「勝負!」

と言ったがんりきの百は、その壺皿を引起こすと、関守氏の眼で四つの小粒が行儀よく並んでいるだけ。

「さあ、持っておいで」

と言ってがんりきは、その粒を消してみました。

賽を見せられただけで、どっちが勝ったか負けたかわからない。つまり場面には丁と出たのか、半と出たのか、けじめがつかないうちに賽を消され、眩惑された関守氏が、

「いったい、どっちが勝ったんだ」

「はは、そりゃ素人衆にゃわからねえ、今のは丁と出たんでげすが、四つじゃあおわかりになりますまい、二つで真剣にやりましょう」

と言って、小粒を握った手を耳もとへ軽くあてがった形で、がんりきが言いました、