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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 頁

青空文庫

て、

「面倒くせえから、それ、欲しけりゃあくれてやらあ、手を出すなら出してみな、面でも腕でも持って来な、目口から押出すほど食わしてやらあ!」

袋の結び目を手早く解いて、その両手を袋の中に突込むと、すくえるだけのザク銭をすくい上げ、

「そうれ!」

と言ってバラ蒔きました。バラ蒔いたその当面は、呆気に取られた献上隊の目と鼻の間です。

「あっ!」

と、これにはまた事実上の面喰いで、予期しなかった目つぶし。相手にこれほどの飛道具が有ろうとは思わなかった。

さて、それから、花咲爺が灰を取り出して蒔くように、掴んでは投げ、掴んでは投げる。

何といっても、盲滅法に投げるのではない、十分の手練に、二分の怒気を含めて投げるのですから、敵いかに多勢なりとも、面を向けることができません。面を向ければ、多武の峰の十三重の塔と同じく、向いたところが満面銭で刻印されてしまう。

額へ当れば額、頬っぺたへ当れば頬っぺた、縦に来た時は箆深に肉に食い入ろうというのだから、この矢面には向うべくもない。加うるに、この弾丸はなかなかに豊富で、むやみに掴投げにしてさえこの一袋は相当の使いでがあるのに、これを適度に使用されてはたまらない。