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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

立って無事だと思ったのが、立ったことがかえって疑惑になる。さては、あの連中、しめし合わせて女をつれて逃げたな。

そこでこの疑惑が、三人を追いかけるのも、是非のない次第です。

二十二

兵馬は、札の辻の温泉案内の前に立ちつくして、安からぬ胸を躍らせておりました。

そうしているところへ、松本の町の方から、悠々閑々として、白木の長持をかついだ二人の仕丁がやって来ました。

兵馬が見ると、その長持には注連が張って、上には札が立ててある。その札に記された文字は、

「八面大王」

妙な文字だと思ったが、ははあ、これはこの附近の神社から、昨今の松本の塩祭りへ出張をされた神様の一体か知らん、とも考えられる。

兵馬は、その長持のあとについて歩き出したが、この長持の悠々閑々ぶりは徹底したもので、到底行を共にするに堪えないから、ある程度でお先へ御免を蒙ることにする。

そうして兵馬が、長持を追いぬけて、有明道を急ぐことしばし。

ほとんど一町ともゆかぬ時に、戞々と大地を鳴らす馬蹄の響きが、後ろから起りました。

そこで、兵馬もこれがために道を譲らねばなりません。道を譲って何気なくその馬を仰ぐと、これもまた驚異の一つでないことはない。