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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

こんなひょうきん者もあるにはあるけれど、お松の仕事は、次から次と根を張り、枝をのばしてゆくことは、自分たちさえも目ざましいほどでありました。

つまり、一つの村から一つの村へと、お松のはじめた教育ぶりが伝染して行くのであります。それは大抵、お松を中心として、仕事を習う娘たちの同意から始まって、甲の村でも、乙の部落でも、然るべき家を借受けて、第二、第三の講習会が起り、つづいて、子供たちのために寺子屋が起り、遊びどころが見つかってゆくというわけであります。

これがために、お松の事業は、またたくまに発展して、村々を廻りきれないほどになりました。その苦労は、少しもお松の厭うところではありません。

毎日、朝早く沢井を出でては、夜おそく帰ることもあります。

多摩川を中にさしはさんでの上下へ、水の浸透するように、お松の事業が進んで行くのであります。今は秩父境までも、お松を中心とするの講習会が入り込んで行きました。

そこでお松は、もうこれ以上、自分の足では覚束ないという時になって、与八がお松のために馬を提供しました。

お松は毎日、馬に乗って村里めぐりをやり出しましたが、最初のうちは、与八が馬の口を取ったのですけれど、それでは労力の不経済だから、後にはお松自身で手綱を取って、与八は家に残って働くようになりました。