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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

と筆太にしるしてある。当時、江戸で有名な講釈師といわず、その下っぱにいたるまで、お角は名前を知っているし、また親しく会ってもいる。南洋軒力水なんていうのが、誰の社中の化け物か、そんなことを詮索に来たのではない。

前座はどうだったか知れないが、幸いにしてお角の臨席した時は、かなり時間もたっていた時だから、真を打つ例の「南洋軒力水」が高座に現われて間もない時でありました。

「あれが南洋軒の太夫さんです」

講釈の太夫さんもオカしいが、お角はいわゆる太夫さんの面よりも、場内の模様をズラリと見廻しました。

席の建前から、お客様といったようなものを一わたり見渡してから、改めてまた太夫さんの方を見直すと、これは浪人風の態度の男で、黒い被布を着ているところが、講釈師らしいといえば講釈師らしいが、人品骨柄はどうも、はえぬきの講釈師とも思われない。見台を前にして、張扇でなく普通の白扇を斜に構えたところなんぞも、調子が変っている。

外題は「太閤記小田原攻め」の一条、

「天正十八年七月……北条の旗下に属せし関八州の城々一カ所も残らず攻め落して、残るところはこの小田原一カ城……これを囲むところの関白秀吉の軍勢、海と陸とを通じて総勢六十万騎……しかれども小田原城中少しも屈せず、用心きびしく構えて寄せ手を相待つ。