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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁
松田が内通は筒井定次の手引で秀吉よりほかに知った者がない、それを早くも旗色で太田三楽が見て取った頭の働きには、太閤秀吉も舌を捲いて、かたわらの前田利家を見て、秀吉が申さるるようは、いかに前田、この席に三つの不思議がある、その方にはわかるか。利家答えて曰く、一つはわかりますが、他の二つはわかりません。その一つは何ぞ。申すまでもなく太田三楽が頭脳の働きの鋭敏なること。秀吉笑いて、他の一つは余が匹夫より起りて天下の主となること不思議ではないか、もう一つは太田三楽ほどの知恵が廻りながら、まだ一国も持てないこと、これ不思議ではないか――一座その言葉になるほどと感心をしました」
お角はスラスラと聞いていたが、やっぱりこれは生え抜きの講釈師ではないと思いました。そうしてどこかで見たことのあるさむらいだと思いました。
この旅の講釈師が素人であろうとも、素人に毛の生えたものであろうとも、それはお角のかまったことではないが――どうも、さいぜんから少し気になるのは、お角よりも少し後れてやって来た一人の男が、お角と並んだところに席をとり、そうして、いやにニヤニヤと脂下りながら、高座の講釈師の面をながめていることです。