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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

「弱りましたな」

お絹は、こいつが口先ばかり、万芸ことごとく堪能のようなことを言っているが、その実、おっちょこちょいの空っぽということを知っているから、今日は苦しめてやるつもりで、三味線を押しつけてみると果して辟易してしまい、三味線を押しつけられるごとに、ジリジリと後ずさりをして、怯えきったところを見すまし、

「素直に御所望に従わないと、今日限りお出入りを差しとめるよ」

「恐れ入りやした、以来、広言は固く慎みますゆえに、御勘弁の程をお願い申しやす」

全く白旗を掲げてしまったのを見て、お絹も追究はせず、

「そうだろうと思った。では、これで許して上げるから今後をお慎み――そうして、もっとこっちへ寄って、何か面白い世間話を聞かせておくれな」

そこで金助が、自分が近ごろ見聞いたところの世間話を、薄っぺらな唇でぺらぺらしゃべり出し、嘘八百のおべんちゃらを並べて、とどのつまり、拙もこれでかなりの色男でゲス、というような見得をきるものだから、

「金公、お前、そうして締りなくしゃべり歩いて、それでも少しはいろは出来るのかい」

とお絹が高飛車に言いました。

「へ、へ、へ、へ、そう見くびったものでもございません、これでも男のハシクレでございますからな」