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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

かくて上々機嫌で、臨川寺の方丈の縁を下りた道庵先生は、門前につながせた馬に乗ろうとして、例の僧形の同職に送られて庭を歩く途中、寝覚の床を眼八分に見渡しながら、

「しかし、ここで浦島太郎が釣を垂れたというのは、少少怪しいね。そもそも浦島が子の伝説は……」

と道庵は、古事記や、日本書紀をひっぱり出して、浦島の人別を論じて、どうしても、あの時代に浦島太郎が、木曾の山中に来て釣をするなんていうことはない、と断定しました。

僧形の同職は、それを聞いて同感の意を面に現わし、

「御尤もでございます、浦島太郎が、この寝覚の床で釣を垂れたというのは、全く証拠のないでたらめでございますが、一説には、こういう話がありますんですな、足利の末の時代でもございましたろう、川越三喜という名医が、この地に隠栖を致しましてな、そうして釣を垂れて悠々自適を試みていましたそうですが、その川越三喜は百二十歳まで生きたということで、土地の人が、浦島とあだ名をつけて呼んでいたそうですから、多分その川越三喜の事蹟を、浦島太郎に附会してしまったものかと思います」

「川越三喜――なるほど、あれはわれわれの同職で、しかも武州川越の人なんだ。