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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁

青空文庫

聞いてみると、これはやがて雪になるということ。

昨夜の夢見の悪かったのは、一つはこの気候のせいか。

果して、霧のような雨が捲いて来て、暫くすると、それが粉雪に変りました。

「ああ大雪だ」

雪は珍しくはないが、それでもまあ、よかった、今日が昨日でなくてよかったのだ、吹雪の中に白骨を出て来るわけにはゆかなかったのだから、当然この雪をかぶって白骨籠城か、そうでなければ途中の難儀、測るべからざるものがあったのに、一日の境で、悠々として白骨を出て来たのは、時にとっての好運であるように思いました。

だが、同時にまた前途のことが思われないでもない、これから高山までは八里の路、これは、ほとんど山坂のない平坦な道だとは聞いたが、何といっても名にし負う飛騨の国、雪の程度によっては、交通が杜絶しないとも限らぬ、どのみち、この雪の降りあんばいを見るべく、今日の出発を見合わせよう。

食前に、昨夜の風呂場へ行って見ると、これまた意外。

外は、この通り天候険悪であるのに、広くもあらぬ浴槽の中は全くの満員――芋を揉むというけれども、桝の上に芋を盛ったと同じことに、全く身動きもできない老若男女が、ギッシリと詰まっていました。