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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁

青空文庫

松島まで行こう――その永徳を見るために。

永徳は画壇の英雄である。

政治家に秀吉があって、画界に永徳がある。

時代に桃山があって、やはり画家に永徳がある。

画壇においての永徳は、秀吉に譲らざる英雄である。

ということを、白雲は日頃念頭に置いている。相馬には奔馬があり、松島には永徳がある――恵まれたるわが天地なる哉――行かずしてはおられぬ、相馬より松島まで……

空を往く天馬の手綱を控えることができないらしい。

四十五

白骨の温泉の一室で、池田良斎と、北原賢次とが、「真澄遊覧記」というのを校訂していると、

「北原さん、お客様でございます」

「え!」

北原は愕然として筆を措きました。

「お客様がお着きになりまして、今、おすすぎをなすっていらっしゃいます」

「誰ですか」

「尾張の名古屋の紅売りだとおっしゃいました」

「来た、来た! 先生、伝書鳩の効能がかくも的確とは予想外でした……お雪さん、どうも有難う、いま行きます」

「どう致しまして」

室の外で北原に取次だけをして、姿を見せないで行ってしまったのはお雪ちゃんです。

北原賢次は、良斎を残して、とつかわと出て行ったが、暫くして、北原はその名古屋から来た紅売りというのを伴うて、浴槽の方へ行った様子。