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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁

青空文庫

それを考えた時に、思わずこの少年の将来のために、祝福ばかりはしていられないように感じました。

子供のうちは鷹揚なのがよい。少しは馬鹿といわれるくらいでも、間の抜けたところのある方が、あんまり隙間のないのより望みがあるものだ。子供の時に、あんまりきちょきちょしたのはいけない――というような先入的の頭を以てこの少年を見直すと、隙間のないところに、真黒い影が漂っているではないかとさえ思わしめられます。

全く、そうです。男がよくて、腕が立って、気が利いて、年が若い――と来ている。白井権八がそれではないか。それよりも、もっと手近に、もっと大物、あの日本左衛門というのが、たしかこの附近から出ていたはず――聞くに、日本左衛門という男の出発点も、この少年に似通ったところから、その長所がすべて、悪用されて、あたら有為の大材になるべきものが、あんなことで終ってしまったものではないか。

お角は、ついこんなことまで気が廻ったものですから、改めて、応対話にかこつけて、意見のようなことを言いました。

将来を大切になさること、御修行中は、もう決して腕立てはなさらぬこと、頼まれても引受けぬようになさるべきこと――つまり、すべての所行というものを封じて、当分、勉強なさって、御帰参の時を待つか、そうでなければ大都会で、もう一修行なさること