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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁

青空文庫

それを虫を殺して、なだめにかかる言葉の様子は、全く泣く子と地頭には勝たれないといったような表情でした。本来、そうまで下手に出るはずはなかろうに、先天的に、お角さんほどの女が、この人にだけは一目も二目も引け目を感ずるらしい。女の人はお角に命令するように言いました、

「あの、道でお連れのを一人見つけて来ましたから、今晩はわたしの座敷に泊めて上げるようにして下さい」

「あ、そうでございましたか、承知いたしました。さあ、お嬢様のお連れの方を、こちらへ御案内申しな」

といって、お角が女中に指図をし、自分もまた、この我儘な御主人(?)の引きつれた客人に粗相があってはならないという気持で、米友が草鞋を解いている上り口のところまで進んで来て、

「お疲れでございましたろう、さあ、どうぞ……」

ともてなしました。

草鞋を解き終った米友――女中が汲んでくれた盥へ両足を突っこんで、そこではじめて笠を取りました。草鞋を解くよりも、笠を取る方を先にすべきなのに、この男は少しその手順を取違えたと見える。

笠を取って、なにげなく振向いた珍客の姿を、吊行燈の光で一目見たお角が、

「あっ!」

といって仰天してから、急にけたたましい声で、