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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁
そうして、おのずから、そこに蛇と、なめくじと、蛙のような気分を見て取らないわけにはゆきませんでした。
そんなような一種変テコな気分の下に、米友は足を洗いおわって、座敷に通らせられました。
五十六
白骨を立とうと思い定めたお雪は、その翌日の朝から机に向って、例の弁信へ宛てて書く手紙の文章に、
「弁信さん――
近いうちに、わたしたちは白骨を立ちます。
ここも悪いところではありませんけれど、とかくこのごろは人の出入りが多くて、なんとなしに不安を感じますから、あんまり冬の厳しくならない以前に、ひとまずここを立ちのいた方がよかろうと思います。これは誰にもすすめられたのじゃありません、わたしが思い立って、わたしが、ひとりできめてしまったのです。
これでも、わたし、思い立てば、きっと、それを実行に現わしてお目にかける自信は持っておりますのよ。
では、ここを立って、どこへ行くとおっしゃりますか。
松本の方へ出るのが順でございますけれど、それでは帰り道になってしまいます。わたしは、家へ帰るためにこの白骨を出ようとするのではございません。
とりあえず、ここからは、程遠からぬ、そして山と山の間道を行けば、道もそんなに険しくはないところを通って、飛騨の国の平湯というのへ、ひとまず落着いてみようと思います。