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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁

青空文庫

厄介千万です」

三

二人は議論を交わしながら、富浦も過ぎ、矢差の浦も過ぎ、飯岡の町に来たから、多分この辺で下りるだろうと思うと、いつしかその町も通り過ぎてしまったから、行先の目的が全くわからなくなってしまいました。

しかし、これを裏へ出れば屏風ヶ浦となり、遠からずして犬吠ヶ岬があり、銚子の港がある。銚子の港の前面には、利根の長江が遮っているから、まさかそれをよこぎるほどのことはあるまい。

犬吠に出でると、海岸の風物が、また全く九十九里とは別の趣になる――多分、ここを初めて見る田山白雲にとっては、その犬吠から、銚子に至る海岸の風物が、また一つの問題となるだろう。彼は外房の風景と比較して、犬吠の岩と、銚子の海とに向って相当の見識があり、議論もあるだろうと思われる。

それとは別に、これより先、その銚子の海の一部分、外に向ったところの、俗に黒灰浦というところに、極めて滑稽な事件が一つ出没しておりました。

滑稽な事件が出没するというのは、滑稽な事件がまさに起っているのでもなく、現に起りつつあるのでもなく、これから起ろうとするのでもなく、今や盛んに起りつつ、消えつつしているのだから、出没しているというよりほかは、言いようがないと思われます。