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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠16(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 268,946 字 · 520 頁
「友さん、何をしているの、イヤな友さん、一人相撲の真似なんか、およしなさいよ」とかなんとか、呼びかけなければならないところなのですが、米友が陶酔境からついに三昧境に入るまでのかなり長い時間を、悠々とここにひとり遊ばせて置いて、お雪ちゃんその人がなんらの注意を呼び起していないということが不思議でした。
そのうちに米友も、夢からさめたように三昧境を出でるの時が来て、ホッと息をつくと、杖を松の樹に立てかけて、錬鉄の肌ににじむ玉のような汗を、腰にブラ下げた手拭で拭いにかかり、
「うんとこ、とっちゃん、やっとこな」
と言いました。
どこで聞き覚えたか知れないが、こんなわけのわからぬ言葉を口走る点は、たしかに幾分清澄の茂太郎にかぶれたものなんでしょう。
そこで、沓ぬぎに草履を脱いで、以前の座敷に上り込もうとしたが、ふと妙な気配を感じました。
二十七
「お雪ちゃん」
当然、先方から呼びかけられなければならないところで、米友の方でダメを押しました。
なるほど、自分ながらそう思って見れば、自分としてはかなり長い時の間、遊戯を試みていたのだが、その間、お雪ちゃんはどうした。