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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠16(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 268,946 字 · 520 頁

青空文庫

それを見ると木口親分もグッと気を入れたが、安直が思わず膝を進ませ、

「あんたはん、ほんまに江戸ッ子でおまっしゃろ」

まかり出た通人がグッと反身になって、

「わっしゃあ、よた村とんびという江戸ッ子でげす、お見知り置きが願えてえ」

「ナニ、四ツ谷鳶だって――」

無躾に下駄っかけが頓狂声を揚げたのを、

「おお、これは、よた村の先生、よくござったの、かねて御高名は承り及びました」

木口親分が、愛想を言って、とりつくろいました。よた村なにがしと通人が名乗ったのを、そそっかしい下駄っかけが、よつやっとんび(四ツ谷鳶)と早耳に聞いてしまったのでしょう。それを取りつくろって木口親分が、

「先生、江戸はどちらでござるな」

「わっしゃあ、江戸は江戸だが、江戸を十里離れて……」

「え、江戸を十里離れて……」

「武州八王子の江戸ッ子でがんす」

「八王子の江戸ッ子……」

一座がここで、またちょっとテラされました。江戸ッ子ということに重きを置いて、江戸はどこと聞いたら、神田とか、本所深川とか、見栄にも切り出すものと期待していると、江戸ッ子は江戸ッ子だが、江戸を十里離れた武州八王子出来の江戸ッ子と聞いて、一座が早くも興ざめ面になったのを、そこは老巧なみその浦のなめ六が、体よく取りつくろって、