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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠16(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 268,946 字 · 520 頁
こちらがなんで静まり返ったかというようなことは一向おかまいなく、興に乗じてどっと崩れるような笑いが起きたり、また存外真剣になって張合っているような気色にも聞えたり、
「坊主」「青丹」「ぴか一」
「雨、あやめ」「三光」
というような声が洩れて来る。ははあ、賭博をやっているな! 賭博の一種、花合せを――
しかも、こちらのことにおかまいがなく、あまりにのぼせ上って賭博をしているものだから、こちらから下駄っかけの時次郎がたまりかねて、
「おい、もうちっと静かにしておくんなせえ」
隔ての襖をサラリとあけて、たしなめ面をした。その隙間から見ると、いるいる、車座になってばくちの大一座。
正面切ったのは、色の白い、ちょっとぼうぼう眉のお公卿さんと見えるような大姐御、どてらを引っかけて、立膝で、手札と場札とを見比べている。
その周囲に居流れた雪の下の粂公、里芋のトン勝、さっさもさの房兄い、といったようなところが、血眼になって花を合わせている。
一方には、別にまた自分の女房らしいのを賭け物に引据えて置いて、しきりに丁半を争う二人組もある。
四十
あだしことはさておき、上平館の一室の炉辺に於ては、宇治山田の米友が寂然不動の姿勢をとって、物を思いつつあることは以前の時と変りありません。