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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠16(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 268,946 字 · 520 頁

青空文庫

五十二

女興行師のお角親方は、一つには胆吹山入りをした道庵先生を待合わせる間、一つには三井寺参詣と八景遊覧のために、大津へ先着をして参りました。

そうして、三井寺へも参詣をすませ、法界坊の鏡供養も見て、今日は舟を一ぱい買いきって、これから瀬田、石山方面の名所めぐりをしようという出鼻であります。

お角さんのことだから、日頃あんまりケチケチするのは嫌いなんだが、ことに旅へ出てこういう素晴しい名所に出くわした上に、いよいよ京大阪も目と鼻の間ということになってみると、心がなんとなくはずんで、いでたちがけばけばしくなるのは、勢いやむを得ないことであります。

見れば、お角さんの買い切った一ぱいの舟には幔幕が張り立てられ、毛氈がしかれて、そこへゾロゾロと芸子、舞子、たいこ末社様なものが繰込んで来るのです。

そうして、舟宿がペコペコと頭を下げる中を、おともの若い者二人を具して、お角さんが大様に乗込んで来ました。

そうすると、げい子や舞子、たいこ末社連がよく聞きとれない言葉で、ペチャクチャとお追従を言って取巻いて、下へも置かずお角さんを舟の正座に安置する。