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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁

青空文庫

を乗出して、おあと交代と差出ました。

五

「いや、御尤もでございますよ、太夫元さま、そのお見立ては、さすがに勘所でございます、実は、わたくしも先年、まざまざと心中者の最期を見届けた覚えがございますんで、いま思い出しても変な気分になりますが、それは、いま太夫元さんのお話とは違いまして、年頃寝頃という頃合いの女夫仲でござんしてな、ところはやはり大津の浜辺、御存じの吾嬬川の石場の浜へ打上げられたのが、しっかりと抱き合った美しい年頃の心中者」

こう語り出でたのが、幾分か今までの凄味を消して、なんとなく艶っぽいような、物の哀れを添えることになりました。

「へえ、お前さんも、その心中者を実見したんだね」

「へへ、たしかにこの眼で、まざまざと見せつけられてしまいましたが、ただいま太夫元さんのおっしゃる通り、最初に見つけたのが、たしなみのある人でよかったんです、もう少し事が遅かろうものなら、仲仕の人足たちに見られてしまうところでした。そいつらがドヤドヤと来て、見せろ見せろと言って、死体へ押迫って、いきなり天秤棒で女の裾をまくり出しましたから、わたしたちが驚いて差留めたのです。