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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁
水の来り沈めるに任せていたという形跡もあったから、とてもそれは、二人相抱いて、高いところから落ち、一気に生涯を片づけてしまったというあざやかな手際にはいかなかったこと、全く無経験無知識な身の投げ方をしている――心中にそうたびたび経験や知識があってはたまらないけれども、それにしても幼稚極まる身の投げ方をしていたことが、見る人をいじらしがらせた。そうして、心中の仕方に於ては、さほど無経験無知識であったにかかわらず、そのたしなみに至っては、打って変って行届き過ぎるほどに行届いていたというのは、つまり、お角さんが、たったいま癇にさわったとは全く反対の行き方で、二人の身体こそ、がっちりと水も洩らさず帯で結んでいたけれども、女も男も、いついかようになって人目にさらされようとも、強いて剥奪するのでない限り、ちっとも醜態を現わさないように、裏から表までよそおいを凝らしていたということが、今でも賞めものになっている。
これを取巻が、この際、新発見でもしたもののように、そやし立てて、つまりあの心中は、遺書にも書き残してあった通り、女の一方が一つか二つか年上で、弟をいたわるように、心ならずも引かされて死んでやったと見るべきだから、万端の注意があの女の心一つで行届いていたということになって、女のたしなみの鑑でもあるかのように取