輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁
「誰も騒ぎゃしねえけれど、天下がいってえに騒々しいんだよ」
「なるほど、天下と申しますると、天が下のことでございますな。天下がいったいに騒がしいと申しますのは、つまり、天が下に住む人間畜生から、山川草木に至るまでが、みんな動揺しているから、それで騒がしいんでございましょう。ところが、今晩は風も吹かず、雨も降らず、この通り静かなのに、天下がいったいに騒がしいとは、何を証拠に米友さん、それを言いますか」
「何を証拠ったって、お前、裁判官じゃあるめえし――」
米友が、そこで時代ばなれのした裁判官を引合いに出さなければ、そろそろ受けきれない事態に追い込まれて来たことがわかります。さりとて、弁信は、ソクラテス流の産婆術を以て、米友を苦しめんがために検問をかけたのではありません。自分の喋りまくる順序としてのプロローグに過ぎないのですから、直ぐに取ってかわって言いました、
「つまり、目に見える世界が騒がしいのではなく、目に見えない世界が騒がしいから、それで、なんにも知らぬ米友さんの心耳をさわがしてしまうのです、どんな静かなところへ置いても、この心の騒々しさは癒りません、その反対に、どんな騒がしいところへ置きましても、心が安定しておりますと、その静寂を乱すものはないのでございます。