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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁
疾うから浮んでいる。
こうして、お銀様に進言をして嘉納された関守氏が、御殿を出て来ると、そこで、接心谷の方へ、とぼとぼと歩んで行く弁信法師を発見しました。
二十
山科の里に於てこそ、こういう閑居も有り得るし、閑談も行われるのでありますが、ホンの一歩を京洛の線に入れると、天地は悽愴を極めたものであります。
悽愴と言ったところで、それは天が悽愴で、地が殺気を含んでいるだけで、人家並みには何の異状もないのです。異状がないのみか、見ようによっては、京洛の天地に人間景気が湧いている。心ある人は世の成行きを憂えもし、怖れてもいるけれども、京都が歴史に現われた時のように、保元平治の恐怖時代でもなければ、木曾乱入の壊滅状態に陥っているわけでもなし、また、応仁の乱の前後のように、都の中が兵火で焼却され、八万二千の餓死者が京都の市中に曝されたといったような現実の体験は少しもなく、全国の諸侯は競ってここへ集まるにつれて、諸般の景気はよくなる。幕末インフレの景気を、京都がひとり占めにしているといったようなもので、時代の中心は、江戸を離れて京都に帰ってしまったようなものですから、未来と将来とに思いを及ぼさない限り、京都の市場はインフレの天地であります。