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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁
「そんなお腰の物なんていらないわ、女が大小をいただいたってなんにもならないわ」
「では、第一等に懸賞金五両――では安いかな、よし、拾両」
と言って、幾ひらかの黄金のまぶしいのを白い紙にのせて、そこへ置くと、これにはさすがに誘惑の色が動いてくる。まことに綺羅を飾って栄耀の真似はしているけれども、これらの子女、いずれも好きこのんでこの里へ来ているものはない。ここに今、村正のおじさんが並べた山吹色のものに欠乏を感じたればこそ、親や兄妹に成り代って、この里に流動して来ている者共である。拾片の黄金の貴重なる所以を知らぬ者とてはない。誘惑の色が動いたのを見て、村正のおじさんは透かさず、
「第二等賞には、金緞子の帯――第三等には友禅の襦袢」
いずれをいずれとしても、彼等の誘惑の好餌ならぬものはない。でも、さすがに、御褒美に目がくらんで、手のうらを返すように主張を翻したとあっては、この里の名折れ、女の意地の恥とでもいったようなみえがあってか、頓には言い出でないが、形勢たしかに動いたりと見て、
「さあ、籤をお引き、島原の舞子ともあろうものが、この期に及んで、お化けにうしろを見せてはどむならん」