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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁

青空文庫

そこで、まず御座つきは終った、それからあとが大変なのです。

十余人の舞子部隊に命令一下すると、「くすぐり合い」の乱闘がはじまったのは――

甲は乙、乙は甲の、丙は丁の、咽喉の下、脇の下、こめかみ、足のひら、全身のドコと嫌わずくすぐって、くすぐって、くすぐり立てる。甲からくすぐられた乙は、甲へやり返すと共に、丙の襲撃に備えなければならぬ。丙は乙に当ると共に、丁戊の側面攻撃を防禦しなければならぬ。己と戊とが張り合っている横合いから丁が差手をする。そう当ると庚と辛とが、間道づたいに奇襲を試みる。甲と丙とは、自分の身をすくめながら両面攻撃をやり出すと、丁と己とは、その後部背面を衝こうとする――いや、十余人が入り乱れて、くすぐり立て、くすぐり立て、その度毎に上げる喊声、叫撃、笑撃、怨撃は容易なものではない。千匹猿を啀み合わせたように、キャッキャッと、目も当てられぬ乱軍であります。

御大将の村正どん、無論、総勢を引受けて、ひるまず応戦すると共に、折々奇兵を放って、道具外れの意外の進撃をするものですから、そのたびに抗議が出たり、復讐戦が行われたり、その揚句は計らずも聯合軍の結成を誘致してしまいました。