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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁

青空文庫

不破の関守氏は、笠も軽くこの小関越えをなしながら、きこりやまがつに逢うと、おさだまりのように、

「この道を真直ぐに行くと山科へ出ることに間違いはありますまいな。時に、この道中には目洗い地蔵というのはございませんか」

そういうような発問をして、道を誤らずに山科街道まで出てしまいました。

「奴茶屋はドコになりますか、柳緑花紅の札の辻はどちらですか」

この質問はナンセンスでした。不破の関守氏らしくもない愚問で、二つの異なった方向を同時に質問したのですから、いわば碁を打つにあたって一度に二石を下ろしたようなもので、徒らに相手方を当惑せしむるに過ぎません。それでも、奴茶屋は右へ進み、追分の札の辻へは左へ小戻りをしなければならないことを教えられて、暫く立ちどまって首を傾けていたが、暫くして、次なる旅の人をつかまえ、

「山科の光悦屋敷というのはまだ遠いですか。では大谷の風呂の方は……この地点から、まずどちらへ行くのが順で、どちらへ行くのが近いですか。ああ、そうですか、左様でございましたか、しからば、その大谷風呂の方から先に……何とおっしゃる、そのあいだに有名な走井の泉があって、走餅を売っておりますから御賞翫くださいですって、よろしい、いただきましょう。