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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁
そうして、飽きたら金沢へ行きましょう――でなければ船で、三国から佐渡ヶ島へ――来いと言ったとて、行かりょか佐渡へ、佐渡は四十九里、浪の上――って、佐渡の女もまた情味が深いんですってさ、男一人はやれない。佐渡に限ったことはないわ、あだし波間の楫枕――行方定めぬ船の旅もしてみたい」
兵馬は、相も変らず浮き立つ福松の調子に乗らず、
「どのみち、一旦は福井へ出なければなるまい、福井へ出るには……モシ、山がつのおじさん、ちょっとここへ来て見てくれないか、紙の上で道案内をしてもらいたい」
宿の山がつを呼ぶと、松脂を燃して明りを取り、蕨粉を打っていた老山がつが、ぬっと皺だらけの面をつき出して、
「ドコさ行きなさる、勝山へおいでさんすかなあ」
五十三
その翌朝から、九頭竜川の沿岸を下って福井へ出る道も、かなりの難路でしたけれども、今までの山越しと比べては苦にならない。二人はついに越前福井の城下へ落着いてしまいました。
福松の、そわそわとして上ずっていることは、山の中から町へ出て、いっそう嵩じてしまいました。福井の城下で、極印屋というよい旅籠をとって納まった気分というものは、旅から旅の稼ぎ人ではなく、半七を連れ出した三勝姐さんといったような気取り。