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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁

青空文庫

いやはや、イケ好かない奴が来たもので、例の鐚であります。

「鐚か――一ぱい飲みたいと思っていたところだ」

「イケません、せっかく聖賢の書をひもといて善良な感化に落着きあそばそうというその途端に、酒というやつが悪魔! そもそも、和漢をいわず酒を賞すること勝計すべからず、放蕩の媒、万悪の源、時珍が本草ことごとく能毒を挙げましたが、酒は百薬の長なりと賞めて置いて、多く食えば命を断ったと言いましたぜ」

「えらく貴様、今日に限って学者ぶるな」

「ちっとばかり学問をして参りやした、時にごらんあそばす聖賢の書はいったい何でござりますな、大学でげすか、論語でげすか。君子に三ツの戒めあり、少之時は血気未だ定まらず、戒しむること色にありス、酒に次いでは色の方をつつしまずんばあるべからず」

「この野郎!」

「この野郎は怖れやす、殿様ともあろうお方のお言葉とも覚えやせん。さて、鐚儀、今日の推参の次第と申しまするは、決して色の酒のと野暮な諫言立てのためにあらず――近来稀れなる風流の御相談を兼ねて参じやした」

「風流――風通の間違いだろう、風通の一枚もこしらえたいが、銭がねえというところだろう」