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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁

青空文庫

立枯の木をへし折って、それを蔓で結えて干場を拵える。

「さあ、干場が出来たから着物を脱ぎねえ」

お玉は解きかけながら、

「米友さん」

「何だい」

「襦袢まで湿ってるんだよ」

「なら襦袢まで脱いだらよかろう」

「襦袢まで脱げば裸になってしまうじゃないか」

「裸だって仕方が無え」

「裸になるのはいやだねえ」

「いやだって、その濡れた着物を着ちゃあいられめえ」

「それだってお前」

「何だい」

「恥かしいねえ」

お玉は、はにかんで面を赤くする。米友は猿のような眼を円くして、

「恥かしい?」

そう言って四方を見廻したが森閑たる谷の中。

「恥かしいったって、誰もいやしねえじゃねえか」

「誰もいないったって、恥かしいわ。それにお前も見ているじゃないか」

「俺らが見ていたって……」

米友は四方を見廻した面をお玉の面へ持って行くと、

「うん、なるほど、お前が裸になるのがいやなら、俺らが先に裸にならあ」

「友さん、お前が裸になってどうするの」

「俺らの着物をお前に着せてやろう」

「それではお前が裸になるじゃないか」

「そりゃそうさ、どっちかひとり裸にならなけりゃ納まりがつくめえ」

「それでもお前を裸にしちゃあ気の毒だわ」