輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁

青空文庫

「いいとも」

この日、遊行上人もまた天竜寺を出でて東へ下りました。

一行六人、それに米友を加えて七人の旅でありました。

この一行のために船賃も橋賃も御免でありました。わざわざ出て来て拝む者もありました。宿へ着くと羽織袴の人が迎えに来て、紫の幕が張ってある本陣へ案内するのでありました。

それがために米友の旅は非常に楽なものでした。一文も自腹を切らずに、到るところ大切にされて通ります。

駿河の府中まで来ると遊行上人の一行は、世の常の托鉢僧のような具合にして、伝馬町の万屋というのへ草鞋を脱いでしまいます。

今宵は紫の幕もなければ領主からの待遇も避けて、ただあたりまえの旅客として泊り合っただけです。

風呂にも入り、夕飯も済んで、挟箱担ぎはどこへか用足しに行ってしまい、米友はまだ寝るには早いから坐っていると、長押に槍がかけてあります。

「槍、ヘヘン、槍がありやがる」

米友は槍を見てニコニコ笑い。

「久しぶりだから、ひとつ使ってみてやろうかな」

部屋の隅にあった碁盤と将棋盤を持って来て、それでやっと取り下ろしたのが九尺柄の素槍。

ちょうどこの日に、机竜之助もまたこの宿に泊っていたのであります。