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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠3(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 214,131 字 · 423 頁

青空文庫

神田へ出て、日本橋を通って、丸の内へ入って、芝へ出て、愛宕下の通りをまだ真直ぐにどこまでともなく飛ばせる。ついに駕籠は芝の山内へ入る。丸山の五重の塔、その五重の塔の姿が丸山の上に浮き立っているのを横目に睨んで、土塀だの、板塀の物見だの、長屋だの、いくつも廻って駕籠が飛んで行く。左右を見廻すと、やっぱり丸山の五重の塔。はてそれでは、あの塔のまわりをグルグル廻っているのかな。

そう思っているうちに、大きな土塀つづきで、右の五重の塔と向き合ったところに堂々たる黒塗の大門がある。その堂々たる大門のなかへ駕籠はスッスッと入って行きました。

何者の邸であろうか知らないが、入って行った者も武士の姿こそしているが、その仕業は武士ではない。この家から出てそういうことをさせるはずもなかろうし、外からそういうことをした者を内へ黙って入れるはずもなかろうと、忠作が思っていると、門番がいるのかいないのか知らないが、無事にスーッとその駕籠は門内へ納まってしまいました。

あの駕籠が通れるくらいなら自分も通れるだろうと忠作も、続いて入り込もうとすると、

「コラ、誰かッ」

雷のような一喝。