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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠3(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 214,131 字 · 423 頁

青空文庫

しかし向うはちっとも気がつかないで、二人で笑いながら話し合って歩いて行きます。片腕の無い百蔵は前と変らず元気なもので、身なりなども小綺麗にしているのでした。女はと見れば、これは眉を落した年増でなかなか美い女でした。

お絹はそれを見ると、むらむらと嫉ましくなりました。自分はなにもがんりきに惚れてはいない、東海道で附纏われた時も、内心では軽蔑しながら調子を合せて来たが、男はなかなかしつこい。しつこいほど面白がって翻弄気取りで一緒に来て、とうとう腕を一本落させることにしてしまって、死ぬか生きるかでウンウン唸っているのを、山の中へ置きばなしで逃げ出して、その時は、さすがに気の毒と思わないでもなかったが、思い出した時分には、柄にない男ぶりをしてわたしを張りにかかった、その罰はああしたものと腹の中で笑っているくらいでしたが、今その男がこうしてピンピンしている上に、他女と摺れつもつれつして歩くところを見ると、お絹は自分勝手な嫉みをはじめてしまいました。

「そういうわけなら、あの子をわたしが預かりましょうよ」

それとも知らず、男女の話は甘ったるい。

「そんなことはできねえ」