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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠3(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 214,131 字 · 423 頁

青空文庫

ということになったのは、思うにまたしてもその鳥沢の粂という親分のところまで送り返されるものであろうと思われる。

がんりきだけを鳥沢へ送りとどけて、神尾の一行が、この本陣へ着いた時に、本陣では前の晩に能登守を泊めたと同じぐらいのもてなしをせねばなりません。

そうしてそれぞれ失礼のないようにお迎え申したけれど、ここに奇怪なのはお絹の素振りでありました。この時、お絹はもう昨夜の災難のことなどは、ケロリと忘れてしまっているようでした。朝寝を少し永くしたぐらいのところで、主膳を迎うべく薄化粧などをして、主膳が着くと、真先に立って下へも置かぬもてなしが、何も知らぬ本陣の人々には別段おかしくもなかったろうけれど、前後を知っているお松には、あんまりそらぞらしいように思われてなりませんでした。

なぜならば、駒井能登守をもてなす時は、神尾の殿様などは有っても無くってもいいような口振をして見せたのに、その能登守が去って神尾主膳が来てみると、能登守なんぞはどこを通ったかというようにして、もう一も二も神尾でなければならないように、そわそわしているからであります。よくもこうまで手のうらを返すようになれるものかと、お松がそれをあまりにそらぞらしく浅ましく思ったのも無理はありません。