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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁
相手は、情を売るのが商売の女で、請け出す人は、金に糸目をつけることを知らない楽隠居である。部屋住みの、修行中の自分が、その中に入って歯が立つものではない――それをいま悟っても、人には相当に未練というものがある。兵馬は多分、これから思い起した七兵衛の言葉の端をたどって、馬喰町の大城屋というのへ相談に行くのかも知れない。
しかし、気の毒なのは出て行った兵馬よりも、残されたお松であります。
大菩薩峠の上で、祖父は殺され、自分は知らぬ旅の人に助けられて、箱根の湯本で湯治している時に蒔かれた二人の縁が、本郷の妻恋坂の雨やどりで芽ぐみ、その後、自分は京の島原の生活から花園のわび住居、京都、大和路の間でも絶えず頼りつ頼られつして来たその人は、親しみが余りあるのに、情というものを知らない人であった。いちずに目的に向って他目も振らないのが物足りないだけ、それだけ頼もしいと思っていたのに――
今となって、こういうことにしてしまったのは自分が至らないからだと、お松は残念でたまりません。お松はまたこんなことも、内々気取りもし、聞いてもいたのです。それは自分を養女として仕込んでくれたお師匠様のお絹が、兵馬を誘惑したことも一度や二度ではなかったこと。