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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁

青空文庫

米友にとっては、道庵が命の親であるのみならず、たしかに一箇の苦手で、この人に向うと、得意のタンカも切れなくなってしまい、苦々しい思いをしたが、それといって今の身分で、道庵の頼みを拒むべき理由もなく、かえって無意味に遊んでいるよりは、有益なことには違いないから、ともかくも返答に三日の猶予を置いて、これから小石川へ帰ろうとします。

気の短い道庵は、お仕着せや、そのほか旅の用意をその場で調えて、それを風呂敷に包んで、米友に背負わせました。そこで米友は、件の風呂敷包を首根っ子に結いつけ、竹笠をかぶって、跛足の足を引き、例の杖槍をついて、道庵の屋敷を立ち出でました。

ふらふらと浅草広小路へ出て来た米友は、ここだなと思いました。ここで、その昔、梯子乗りの芸当をやって見せて、かなりの人気を博したことがある。その時、ある大名の行列が乱暴をしたから、その先手の水瓜頭を十ばかり見つくろって殴り、吉原の方へ逃げ込んだことがある。その時の前科はもう気のつくものはあるまいが、それでも米友は多少気が引けて、笠をかたげる気分で通ってみても、露店や見世物の賑やかなところを見ると目うつりがして、やがて以前、自分が梯子乗りをしていたところへ来て見ると、そこに店を張っているものがあります。