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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁

青空文庫

「取って置きやれ。ああ、いい心持になった。もう夜もかなり遅いことだろう、又六は今夜は帰るまいかな。あまり夜ふかしをしてもならん、ドレ、拙者もお暇と致そうか」

こういって主膳は立ち上ると、腰がよろよろとしました。

「お危のうございます」

「帰る、帰る、どうしても帰る」

主膳は外を見ると、月がもう落ちてしまって闇です。お吉は提灯をつけて主膳を送りに出ました。

千鳥足で外へ出た神尾主膳を、提灯をつけて送り出したお吉。山門を入ると両側は巨大なる杉の木。宏大なる本堂の建物を左にして、書院の方へ進んで行くと、神尾はむらむらと何かに刺戟されました。

この男には、烈しい酒乱の癖がある。ひとたびそれが兆した時は、われと人とをかえりみるの余地のないことをお吉は知りません。そうして油坂の石段の下まで来ると、そこから急に右へまわり出しましたから、お吉が、

「殿様、どちらへおいでになりますか」

「お前の知ったことではない」

ずんずん横へ外れて行く神尾主膳。お吉は見ていられないから、追っかけるようにして、

「お危のうございます」

「お前の知ったことではない」

どこへ行くかと思うと、神尾は勝手を知った庭を通って、大中寺名代の七不思議の一つ、「開かずの雪隠」