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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁
それも大した男ならトニカク、福兄あたりでは自慢にもならない。ところへ、向う河岸では盛んな景気で、思う存分の腕を揮っている上に、聞き捨てにならないのは、お角が駒井能登守ほどの男を自由にしているとのこと。それやこれやを見せつけられているお絹の立場はたまらない。
それを、それほどにお察しがなく、べらべらと大魔術の能書を並べたり、承ったりしている金助と福村の面が癪にさわり、
「何だい、乞胸の親方なんか、そんなに持ち上げる奴があるものかい。金公、ちっと気を利かして口をきいておくれ、席が汚れるよ」
といってお絹は、いい気になって喋っている金助の肩をこづいたものですから、ハズミを食って金助が、ひとたまりもなくひっくり返ってしまいました。
「これは、これは」
金助はひとかたならず恐縮してしまい、ははあ、うっかり口を辷らし過ぎたなと思って起き上ると、口を抑える真似をしました。
それを尻目に、お絹はさっさと寝間へ入ってしまいます。
八
小仏から陣馬を通って、上野原へ急ぐ一挺の駕籠。
この道は、過ぐる夜、蛇滝の参籠堂を出た机竜之助の駕籠が、そこで、小雨と、月の霽間と、怪霧と、天狗と、それから最後に弁信法師の手引によって救われた甲州街道のうちの一つの隠し道であります。