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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁

青空文庫

ただし、手荒に振舞いたもうなよ」

「畏まりて候」

こういって鬼の面をかぶった数名のものが男装の女――いうまでもないお銀様を引立てて、幕屋の背後へ連れて行きました。

そうして、猩々から命ぜられた通りに、栗の大木へ結いつけましたけれども、特に手荒に振舞うべからずとの言葉添えが与って力ありと見え、ただ、逃げられない程度に縛ったのみで、敷物まで持って来て坐らせました。

お銀様は、どのみち、怖ろしい目に遭うべき暫時の後を期待して、覚悟をきめてしまいました。それにしても、いよいよ合点のゆかないのはこの一団の集まりであります。こうして、舞いつ歌いつ、よろこび楽しむ分には、さのみ世をはばかる必要はあるまいに、この山中へかくれて、そうして張抜きの大筒をこしらえるわけではなし、謀叛の相談をしているとも思われない。いかに世上おだやかならずといえども、神楽をするに、隠れ忍ぶ必要もあるまいではないか。ことに打見たところでは、それぞれ仮面をかぶり、立派な衣裳道具を備えている。なお一団のものの会話が、中古の雅文体をそのままで、どうかすると近代の訛りが入る。大将分らしい猩々の音声は、清く澄みわたって、水の滴るような若さがある。