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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁

青空文庫

と言って竜之助の肩へ手をかけてゆすぶると、竜之助は横の方を向いて、

「紙入を一つ拾うたからとて、手渡しするまでには相当に念を押さにゃならぬ、まして人間一人……」

そのまま歩いて行くと、高部も肩を捕まえながら邪慳に歩いて、

「やい、この刀が目に入らぬか、我々のかけ合いは、ちと骨っぽいことを御存じないか。お手前はそのかどわかして来た女を、あれなる一軒家へ隠して置いて、踏みとどまって我々に応対を致そうとするからには、相当に覚えがあるに相違ない。刀にかけて返答をするつもりか、それとも、あれなる一軒家へ案内して、尋常に女を渡すつもりか。さあ、こちらを向かっしゃい、こちらを向いてこの刀、粗末ながら永正の祐定を一見さっしゃい」

高部弥三次は、こういって長い刀の柄を丁と打ちましたから、あとにつづいていた三人がまたも面を見合わせて、高部でかしたといわぬばかり。

その時、竜之助は、

「あいにく、拙者は眼が見えないのだ」

といって、苦りきって向き直りました。

「ナニ、眼が見えない?」

向き直った竜之助の面を高部がキッと見て、暫くあきれていると、

「この通り盲目だ」

「盲目?」

これを聞いて驚いたのは高部ばかりではありません。