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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁
こういう弱い心を鞭打つには、こういう静かなところへ来てはいけない、と兵馬は、陣街道を真直ぐに、またも府中の宿へ足を向けました。
十三
兵馬はそこを引返して、車返から甲州街道筋へ出て、再び宮前まで来た時、おそろしく急ぎの乗物が一挺、西の方から飛んで来るのにでっくわせました。
もとよりここは、甲州街道の道筋では、一二を争う宿駅の一つ。まだ宵の口、幾多の人馬が往来することに、敢て不思議はありませんが、この乗物は、物々しい人数に囲まれ、乗物を囲んで急ぐ三四の人影が、皆さむらいであることが奇怪。そうして先手を払った一人は、これはさむらい体ではないのが、棒を携えて、これが一行の差図ぶりで飛んで来たものだから、兵馬はどうしても、見逃すわけにはゆきません。で、眼前を過ぐる乗物に近寄ると、
「危ない」
棒を持ったのが、それを制止しようとした途端のことです、
「やあ」
これは、どちらが先に言ったのか、
「君は……」
棒を持ったのが踏み留まると、同時に乗物も、これを擁護した物々しい一行も、たじろいでしまいました。
「君は、宇津木兵馬ではないか」
「おお、山崎!」