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おおさかをあるく

大阪を歩く

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《大阪を歩く(おおさかをあるく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,964 字 · 65 頁

青空文庫

そして、私は、それを、大阪人だと、思っている。現在の例で云えば、平瀬氏などが、大阪町人の代表的一人で、近江商人などの、こすっ辛さと、人間の性がちがっている。

所謂、檀那様、お家はん、であって、番頭が一切をやっていて、薄暗い所に、一日、徒然なのが、町人である。そして、これは、江戸の町人とも共通していて、ちがうのは言葉だけ――いいや、本当の、上等の、江戸っ子は、決して、べらんめえではない。しとやかな言葉である。

所が、悪貨は、良貨を駆逐すの原則通り、檀那はんは、だんだん伊勢の丁稚上りに圧倒され、丁稚は、ひたすらに勤倹力行して成功し、とうとう、その風が大阪中へ拡がって、こすいとか、厚釜しいとか、野暮とか、しみたれとか、いろいろの悪評を蒙るようになったが、これ、田舎者のせいだ、断じて、大阪人は、そうでは無いのである。

百貨店

附、店員心得のこと

私は、大阪のデパートによく入る。着いた日も、行ってみた。私の、愛人(私は、私と交際している女を、皆愛人と呼ぶことにしている。愛している――神聖なる意味に於て、愛しているからである。つまり、愛児と、同じ意味で決して、私を、咎めてはならない)が、牛肉が好きなので(これは、少し、愛人として、色消しであるが)その味噌漬を、送ってやろうと(おお、親切な愛友よ!)してである。