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おおさかをあるく
大阪を歩く
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《大阪を歩く(おおさかをあるく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,964 字 · 65 頁
無かったとしたら、僕の造語だが中々うまいことをいう)、尖端的な飛行機発着場への道として――それは、道でなく、自然の土の上へ軌道を敷いただけのものである。
処で、汽車の着く、梅田の駅頭も、その非文化的な上に於て、木津川よりも賑やかという以外に何物もない。大阪梅田駅前の光景、というものは、第三流都市の下品さである。豊橋とか、岡山とか――。
粟おこし屋、安物雑貨、バナナと蜜柑としか無い果物屋、何処の三流都市よりも劣った安宿。甘酸っぱい湯気を立てている鮨屋(此湯気は甘酸っぱくないかもしれぬが、そうしておかぬと気持が出ない)、これらの店の連続は、近代都市、経済都市の玄関ではなく、朱判を押した白衣の、団体客によってその繁栄を保持している町のステーション風景である。
もし、私の恋人が、初めて、私を大阪に訪うてきて、この下級飲食店の羅列を見て、その町に住んでいる私を軽蔑しないなら、私は却て、物を軽蔑することを知らない、その恋人を軽蔑してしまうにちがい無い(物を軽蔑することのできぬ人間は、又、物を尊敬することを知らない。僕の格言)。
だが、こういう小商人はいい。彼等は、己の都市の美観よりも、金儲けに忙がしい。