輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
線上閱讀海野 十三《太平洋魔城(たいへいようまじょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 頁
僕がわたしてあげます」
なにをおもったか太刀川時夫は、艇長をうながして、懐中電灯をうけとると、これをケレンコの顔にさしむけた。
ケレンコは、不意にまぶしい電灯をさしつけられて鬼瓦のような顔をしておこった。
「こら、何をする。無礼者めが」
なにか意味ありげに、にやにや笑っている太刀川青年の手から、ケレンコはあかりのついた懐中電灯をひったくった。
このとき、くらがりの室内を、何者ともしれず、こそこそと床上をはい、そして扉をぱたんといわせて、外へ走りでた。
それに気がついたダン艇長は、あっと叫ぼうとして、あわてて自分の口をおさえた。
停電事件と同時に、艇内に、なにかしらふしぎなことが起っているらしかった。
ところがそのとき、操縦長が、誰にもそれとわかる悲壮なこえで、艇長によびかけた。
「ああ艇長。本艇はもうだめです。ぐんぐん暴風雨におしながされだしました。方向舵が直らないのです。どうしてもだめです」
それは本当だった。羅針儀の針はぶるぶるふるえていた。
「それはそのはずだ」
太刀川青年がケレンコに聞えよがしにいった。
「あのとおり方向舵が曲ってうごかなくなってしまったんだ。