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だいきょしほうでん
太虚司法伝
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《太虚司法伝(だいきょしほうでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,847 字 · 16 頁
森があり、丘があり、遥かの地平線には遠山の畝りがあったが、家屋の屋根らしい物は見当らなかった。大異はそれでももしや何かが見つかりはしないかと思って、注意を止めなかった。薄い金茶色をして燃えていた陽の光がかすれて風の音がしなくなっていた。大異は西の方を見た。中の黒い緑の樺色をした靄のような雲が地平線に盛りあがっていて、陽はもう見えなかった。
鴉の声が騒がしく聞えてきた。大異はもうあわててもしかたがないから、このあたりで一泊しようと思った。栢の老木が疎らな林をなしているのが見えた。騒がしい鴉の声はその林から聞えていた。木の下なれば草の中に寝るよりはよっぽど好いと思った。大異は林の方へ往った。
林の外側に並んだ幹には残照が映って、その光が陽炎のように微赤くちらちらとしていたが、中はもう霧がかかったように暗みかけていた。大異は林の中へ入ってすぐそこにあった大木の根本へ坐って、幹に倚っかかり、腰の袋に入れていた食物を摘みだして喫いはじめた。
の鳴く声が鴉の声に交って前の方から聞えてきたが、どこで鳴いているのか場所は判らなかった。ふおうふおう、ふうふう、ふおうふおうというように鳴く※(「休+鳥」