輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
かのうせいのぶんがく
夫婦善哉
織田 作之助
線上閱讀織田 作之助《夫婦善哉(かのうせいのぶんがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 47,834 字 · 94 頁
「川那子! この血を啜れ! この血を。おれの血の最後の一滴まで啜らせてやるぞ!」
と、呶鳴った。
もともと臆病な丹造は、支店長の顔を見るなりぶるぶるふるえていたが、鼻血を見るが早いか、あっと叫んで、小柄の一徳、相手の股をくぐるようにして、跣足のまま逃げてしまい、二日居所をくらましていた……。
ここに到って「真相をあばく」もいよいよそれらしくなって来たが、同時に嘘めいて見える。事実また嘘だった。ことに鼻血のくだりなど、さすがにお前の臆病な性質を見抜いているという取得があるにせよ、誰が読んでも嘘だとわかる。また、保証金没収の一件にしても、そうだ。
一万九千円を握っただけで能事足れりとするような、けちな肚ならともかく、いくら何でも、そんな非合法な、かつ信用に関するような真似は、お前がやりたくても、おれがやらなかった。
そんな悪辣な手段ばかり弄さなかった証拠には、第一期の(などといえば、語るに落ちるが)支店長で、後に川那子メジシンの首脳部に収まった連中が随分あった筈だ。もっとも、淘汰した者も全然ないわけではなく、たとえば、売上げ金費消の歴然たる者は、罪状明白なりとして馘首、最初の契約どおり保証金は没収した。