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きかいなさいかい
奇怪な再会
線上閱讀芥川 竜之介《奇怪な再会(きかいなさいかい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 20,996 字 · 43 頁
――そんな事もふと考えられた。
「それがまあこうしていられるんだから、御互様に仕合せでさあ。――だがね、牧野さん。お蓮さんに丸髷が似合うようになると、もう一度また昔のなりに、返らせて見たい気もしやしないか?」
「返らせたかった所が、仕方がないじゃないか?」
「ないがさ、――ないと云えば昔の着物は、一つもこっちへは持って来なかったかい?」
「着物どころか櫛簪までも、ちゃんと御持参になっている。いくら僕が止せと云っても、一向御取上げにならなかったんだから、――」
牧野はちらりと長火鉢越しに、お蓮の顔へ眼を送った。お蓮はその言葉も聞えないように、鉄瓶のぬるんだのを気にしていた。
「そいつはなおさら好都合だ。――どうです? お蓮さん。その内に一つなりを変えて、御酌を願おうじゃありませんか?」
「そうして君も序ながら、昔馴染を一人思い出すか。」
「さあ、その昔馴染みと云うやつがね、お蓮さんのように好縹緻だと、思い出し甲斐もあると云うものだが、――」
田宮は薄痘痕のある顔に、擽ったそうな笑いを浮べながら、すり芋を箸に搦んでいた。……
その晩田宮が帰ってから、牧野は何も知らなかったお蓮に、近々陸軍を止め次第、商人になると云う話をした。