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おんなきしゃのやくわり

女記者の役割

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《女記者の役割(おんなきしゃのやくわり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 16,039 字 · 32 頁

青空文庫

「それで、犯人の見当が付いたのか」

「イヤ、付いたような、付かないような――実を言うと、君を煩わして、最後の決定をして貰うために此処まで誘って来たのだ」

「と言うと――」

「今晩、そのために私は、あのカフェー人魚へ行って居たのだよ。あすこは、新聞記者の巣見たようなところだから、出入の人の話を聴いて居る内に、何んか暗示を掴むことが出来るかも知れないと思ったのだ」

「で?」

「果して、君も聞いた通り、あのカフェーで特種競争というのが始まった」

「僕も後から行ってよくは知らないが、言い出したのは何んでも東京新報の高城鉄也君だとか言ったぜ」

「併し、二三日のうちに、驚天動地の特種を提供して見せると言ったのは、君の社の早坂勇君だったと思うが――」

「何?」

謎は読めました。花房一郎は足の勇を疑って、同じ社の監督者の地位にある千種を、此処までおびき寄せて口占を引いて見たのです。

「そんな馬鹿な事があるものか。あの正直者の勇に、そんな大それた事が出来る筈は無い」

「イヤ併し」

「断じてそんな事は無い。第一あの壁の上の字は足の勇の字とは少しも似て居ない」

「けれども、手を変えて書くという事がある」