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いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

線上閱讀高見 順《如何なる星の下に(いかなるほしのもとに)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 頁

青空文庫

末弘はつづけて、ミーちゃんが、いや美佐子が、ドサ貫のおちるのを気にするのは、ドサ貫に惚れているせいだと言った。ドサ貫も美佐子に惚れていて、「どっちかと言や、奴の方がずっと熱をあげてるでしょうな」と末弘は言う。

「そいで美佐子君のご亭主の但馬君に、その……お伺いを立てるなんて妙ですね。邪恋の相手の亭主に、そんな……」

「邪恋はよかった。ヒェッヘッヘッ……」

と末弘は、それが彼の地のものか、舞台用の作り笑いか、私には見当のつかぬ奇怪な笑い声を挙げ、笑うだけで、なにも言わなかった。

――その日、美佐子は珍しく姿を見せなかったが、大概いつでも手伝いのようにして「惚太郎」にいることは前に書いた。何かここと特別の関係でもあるのかと、その日、私は末弘に尋ねた。

「ミーちゃんと但馬さんとが、はじめて世帯を持った時、借りたのがここの二階なんですよ。ミーちゃんはここのおばさんの随分世話になったから、遊んでいる時は、そいでまあ、手伝いみたいにして来ているんですよ」

そういう末弘の答えだった。

「で、美佐子君は今どこに住んでるんですか」

「実家へ帰ってまさ。但馬さんが病気で郷里へ行っちまったので……」