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いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

線上閱讀高見 順《如何なる星の下に(いかなるほしのもとに)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 頁

青空文庫

夏場だけの商売かと思ったら、――と驚いたのだが、その後、往来に氷が張っている寒中でも堂々と店をつづけていて、さすがに客は滅多に見受けなかったが、それでも時々二重回しに襟巻をした客が、往来との間に何の防寒用の設備を施してないむき出しの店のなかで、夏場とおなじ縁台に腰かけて、氷をシャリシャリと食っているのが見られた。すなわち浅草では年がら年中、氷を食わせるのだ。エンコは何か熱いのであろう。

(注四)

アパートの付近の路地をなんとなくぶらついていて、眼にしたこと。――

見るからに哀れっぽい痩せた小さな犬が、見るからに獰猛な大きな肥った犬におどかされて、キャンキャンと悲鳴をあげて逃げて行くのだ。可哀そうにと、私はちっぽけな犬に同情した。ところが、そこには数人の子供がいて、それを見て「やい、こら」と犬に石をぶつけるのだったが、――それは、その憎ったらしい獰猛な犬でなく、いかにも惨めに尻尾を巻いて、土をひっかくようにして必死で逃げて行く小さな犬に対してであった。

私は、いやな気がした。

その獰猛な犬は、その子供たちと親しい犬で、可哀そうな小犬は、そこらへ迷い込んだ、子供たちと縁のない野良犬かなんかなのだろうか。