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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
線上閱讀高見 順《如何なる星の下に(いかなるほしのもとに)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 頁
「――や」
といった顔を、ぽんたんがした。はっきり表情がわかる。私も「――や」といったぐあいにうなずいて見せた。
「――ほう、トンちゅうたら英語か」
ぽんたんは、私を見ながら、とぼけた声で言った。
「――英語や」
ぽんたんのいわゆる「兄貴」の鶴家あんぽんである。ぽんたんより少し背が高く、その代り痩せ型で「二枚目」の顔をしている。二人ともダブルの服を着て、――草履をはいていた。
「では、ドイツ語では、豚のことを……」
「ドイツ語か。――ドイツ語では、ハムちゅうねん」
「あ、なるほど」
「よう覚えときなさい」
「では、フランス語では」
「ソーセージやがな」
このネタを、私は「一流」の漫才師の舞台で聞いたことがある。そっくり同じというわけではないが、同じ趣向である。――漫才は、それぞれ独立した短い笑話のいくつかの結合からなっている。だから創作もののなかに一二借りものをはさむことができるのだが、私は何か不快を感じ軽蔑を抑えることができなかった。その漫才を軽蔑しただけでなく、借りものを容易にはさめる漫才というものを軽蔑したのだが、だが、――考えてみると、「高尚」な文化分野でも、これに類した、いやこの漫才以上に借りもの七分、オリジナルの部分はわずかに三分といったような仕事が堂々と独創的な顔で通っているようである。